世間は、その人の「知識」に対して報酬を支払っているのではない。その人が知識に基づいて何かをやってくれたとき、あるいは知識に基づいて他人に何かをやらせたときに報酬を支払うものなのだ。
(ナポレオン・ヒル 『思考は現実化する』 きこ書房)
人は目標を見つけると、まずは自分で勉強しようとしますね。手順としては、インターネットで情報を調べたり、本屋で立ち読みして情報を集め、最初に学ぶべき知識を求めるはずです。
例えば何の知識も無い状態で、「株式投資で稼げる人になる」という目標を持ったとしましょう。そんな時、まず初めによくやるのが、その道で成功している人を特定し、その人のやり方を真似しようとする事です。その人は、たまたま雑誌に出ていた人物かもしれませんし、誰かに紹介された人かもしれません。
他には、とにかく色んな知識をかき集めて、全てを吸収したいと考える方もいるかと思います。たくさんの人が勧めている上手くいった手法を知るために本屋で参考書をたくさん購入し、勉強しまくるという方法です。さて、あなたはどちらのパターンでしょうか?
以前の私は、どちらかと言えば後者の方でした。あれもこれもと手を出して、上手くいかなければ、やっぱりこのやり方はダメだなと決めつけ、他のプロが使っているテクニックを探し求める。そして、その方法でも上手くいかないと、また別の方法を探していました。
結局のところ、どんな人の手法を学んでも上手くいく事はありませんでした。勝率で言うと、勝ち、負け、負け、負け、負け、負け、勝ち・・・・みたいなもんです。トータルでは完全に負けていました。
しかし、私はある事を知ってから考え方を大きく変え、勝てる投資家として変貌を遂げる事ができたのです。それは、勝てない原因が別のところに存在していた事に気付く事ができたという事。その原因とは、そもそも自分自身の投資スタイルが形成できていなかったという事です。
私はこの事を知って初めて、成功者が本当に「成功した者」であるという事を理解する事ができました。これは、どういう事かといいますと、誰かのモノマネではないという事。自分流なんです。自分のやり方を考え、失敗に失敗を重ね、ようやく成功した。だから成功者なんです。
ですので、これははっきり言いますが、自分がこれと決めた師匠の教えに習うというのはベストな方法です。自分でいろいろと調べるのももちろんいいですが、特定の師匠に習った方が多くの時間を短縮する事ができます。既にある実証された知識は、定石としてそれなりの精度がありますからね。
しかし、これだけではダメなんですよね。ほとんどの人が習った事を継続さえしていれば、その教えを着実に守って訓練さえしていれば、いつか成功できると思っているのです。実は私もそう信じていました。
ですが、やはり成功する為には、その次のステップを絶対に突破しなければいけないのです。つまり、教えをアレンジして自分流を作り出すという事。こう考えると、守、破、離という言葉が本物だという事にも気付く事ができます。
人間は様々で、自分には自分の性格というものがあります。また、生活のリズムや環境も全く異なります。その中で、自分が師匠と全く同じ様に処理する事なんてできないのです。
だとすれば、師匠の知識をベースに自分の手法を考えていく事が、自分にあった投資スタイルの確立であり、そのスタイルこそ自分ピッタリの勝てる手法だという事です。その手法に磨きをかけていきさえすれば、成功への道も見えるはずです。
これは何も投資だけの事ではありません。誰かの猿真似をして同じ様にできる人なんてごく僅かです。発想と創造の力。成功する上での全ての根元は、やはりここにある。これは間違いないでしょう。